オフラインの合法をおさえておけばオンラインギャンブルの違法性は誰でも理解できる

オンラインギャンブル

知っていて罪を犯すのと、知らず知らずのうちに罪を犯すことの間で、罪の大きさに差がない以上、できれば「知らず知らずのうちに」を回避するに越したことはないだろう。

ギャンブルの主流はいまやオンラインである。日本産の公営ギャンブルなども軒並みオンラインギャンブル化が完了した以上、オンラインギャンブルに関わるための最低限の知識は必要となる。

オンラインギャンブルにまつわる最低限の知識というのは「違法のオンラインギャンブルと合法のオンラインギャンブルがある」という事実と、その区別についてだ。

違法と合法の区別については、オンラインギャンブル以前からギャンブルで遊んできた人間にとってはほとんど基礎教養のようなものだが、まだギャンブルに触れたことがない新成人のようなビギナーにはやや難しいかもしれない。

そこで今回は、安全にオンラインギャンブルを楽しむための、日本におけるギャンブルの合法と違法について簡単に見ていくことにしよう。

日本では六種類のギャンブル以外はすべて違法である

日本では六種類のギャンブル以外はすべて違法である

日本では「競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、スポーツ振興くじ」という六種類のギャンブルだけが合法のギャンブルであり、それ以外のギャンブルは基本的にはすべて違法である。

ギャンブル初心者である場合「パチンコは合法のギャンブルではないのか?」という疑問が生じるかもしれないが、「合法のギャンブルかどうか」という問いへの「正確な答え」としては「パチンコはギャンブルとしては違法」ということになる。

ギャンブルとしては違法であるにも関わらず、ほとんど合法のギャンブルであるかのようにパチンコが打たれていることの秘密は、この「であるかのように」の部分にポイントがある。

パチンコは、あくまで営業形態としては「まるでギャンブルであるかのように遊べるゲーム」でしかない、ということだ。

パチンコはジャンルでいうと「風俗業」であり、それに金を支払って遊ぶ行為は「賭博」ではなく「遊技」に分類される。遊ぶという行為だけに関しては、ゲーセンの利用や、雀荘で麻雀を打つ行為に等しい。

この「ギャンブルであるかのように遊べるゲーム」を成立させるために、パチンコ業界というのは、「店内での直接的な勝利金の換金を回避するシステム」である三店方式というものを採用している。

三店方式というのは、「パチンコ店・換金所・問屋」の三店の間で特殊景品と言われる媒介物を交換することによって、「換金所での換金」を成立させ、「パチンコ店での直接換金」を回避する法の抜け道のようなシステムで、このようなシステムが採用されるのは、パチンコ業界はバックの管轄として警視庁がついているためである。

ゲーセンや麻雀などのゲームも、仮に警察の管轄下であれば「三店方式」に近いシステムを採用して「まるで合法ギャンブルであるかのようなゲーム」という場を作り、賭け麻雀などの賭博行為を可能にできるのかもしれないが、現在のところ、パチンコだけが警察を後ろ盾にしているので、パチンコだけが許されている状態だ。

とにかく抑えておくべきなのは、最初に書いたように「競馬・競輪・競艇・オートレース」という4つの公営ギャンブルと「宝くじ・スポーツくじ」という二つの富くじだけが、日本では「合法のギャンブル」であるという基礎知識である。これだけで十分だ。

オンラインギャンブルの違法性はオフラインの延長線上にある

オンラインギャンブルの違法性はオフラインの合法ギャンブルの延長線上にあるため、オフラインの合法ギャンブルがなんであるかをしっかり理解しておけば、区別に苦労することはない。

要するに、先ほど提示した「競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、スポーツ振興くじ」などを、その運営元の公式のサービスでオンラインで賭け事として遊ぶことだけが合法のオンラインギャンブルとして許されており、それ以外はすべて違法オンラインギャンブルであるということだ。

そのため、先ほど書いたように「まるで合法ギャンブルであるかのように遊べるゲーム」でしかないパチンコの場合、それをオンラインで「賭け事」として遊んだ場合は、「違法オンラインギャンブルで遊んだ」という判断がくだされてしまう。

パチンコには「オンラインパチンコ」と言われるものがあり、これも「合法のオンラインパチンコ」と「違法のオンラインパチンコ」に分かれる。

「合法のオンラインパチンコ」というのは、ギャンブル要素を取り払って純粋に「ゲーム性」だけを残したオンラインパチンコであり、「パチンコをゲームとして遊ぶことはできるが、勝利金などを受け取ることができない」というものである。

これは要するに「オンラインギャンブルではないオンラインパチンコ」ということを意味している。これはオフラインで例えると、パチンコの筐体だけ買って家で勝手に打つ行為とほぼ同じである。

一方の「違法のオンラインパチンコ」というのは、「オンラインギャンブルとしてのオンラインパチンコ」であり、これはオンラインでパチンコを打って獲得した勝利金を手に入れることができるというものである。

違法のオンラインギャンブルとしてのオンラインパチンコは「海外に運営拠点を持つオンラインカジノの一つのコンテンツとしてパチンコが用意されているもの」と理解してもらえれば、ほぼ間違いない。

オンラインギャンブルであっても、違法性の区別は簡単であり「オフラインで合法だったギャンブル以外のものは、オンラインになってものきなみ違法」だ。

オンラインカジノがグレーゾーンというのは間違い

オンラインギャンブルといえばオンラインカジノであり、オンラインカジノといえば「合法でも違法でもないグレーゾーンのオンラインギャンブルだ」ということが言われる傾向があるが、これは明らかな間違いである。

オンラインカジノは「違法」そのものである。「オンラインカジノは合法と違法のグレーゾーンである」という言葉を使う場合、それはただ単に「いまはまだ、逮捕しにくい状況がある」ということを言い換えているだけに過ぎない。

繰り返しになるが、日本の合法ギャンブルは前述した6種類のギャンブルだけであり、それ以外のギャンブルはすべて違法であるということは、オンラインオフライン問わず共通である。

この基本的な考え方をあてはめて考えるとき、まず、そもそもリアルカジノ自体が「6種類の合法ギャンブル」でない以上、それのオンラインギャンブル化であるオンラインカジノは当然ながら「違法」以外の何物でもない。

オンラインカジノの合法性に対しては「違法である」という事実だけで話が終わらなければならず、そのあとに行われる「グレーゾーンかどうか」を検証しようとする言葉はすべて詭弁であり、冗漫なおしゃべりでしかない。

冒頭に書いた「罪を犯す二つのパターン」にあてはめると、オンラインカジノに関しては、「それが違法だと知ったうえで自覚的に遊んで積極的に法を犯す」という風に覚悟して遊ぶパターンと、「知らず知らずのうちに法を犯して遊んでしまう」という無自覚なパターンの二つに分かれる。

日本の合法ギャンブルを違法で遊ぶ方法としてのオンラインカジノ

オンラインカジノに関しては、オンカジで遊ぶこと自体が違法であるという最低限の事実のほかに、「日本で合法で遊べるギャンブルを違法で遊ぶ」という選択肢が追加される場所としてもおさえておきたい。

オンラインカジノという違法のオンラインギャンブルは、「合法ギャンブルをわざわざ違法で遊べる場所」でもある、ということだ。

これをわかりやすく理解するためには、「スポーツくじ」と「競馬」を取り上げるのがいいだろう。

オンラインカジノには「ブックメーカー」と言われるジャンルのギャンブルが用意されていて、このブックメーカーの最大のウリは「スポーツベッティング」と呼ばれるスポーツ賭博だ。

つまり、「スポーツくじ」でオンラインのベットを行う分には合法であるオンラインギャンブルも、オンラインカジノのブックメーカーが用意したスポーツベッティングで賭博行為をした場合は「違法のオンラインギャンブル」で遊んだことになる、ということだ。

ブックメーカーのメインコンテンツはあくまでスポーツ賭博で、あらゆるスポーツの勝敗などが賭け事の対象になるのだが、じつは、スポーツ以外のコンテンツも賭けの対象になりうる。その対象の一つが「日本の競馬」である。

先ほどの「スポーツくじ」と同様、JRAからネット投票をする場合は合法のオンラインギャンブルだが、ブックメーカーが用意したオッズで競馬の予想をしベットをした場合は、違法のオンラインギャンブルで競馬を予想した、ということになる。

このように、日本で合法でオンラインギャンブルを楽しむためには「日本で合法で遊ぶ方法」をしっかり守る必要があるということだ。

だが、合法で遊べるオンラインギャンブルを、わざわざオンラインカジノで遊ぶのはなぜか?というと、これに関しては「勝利金が違う」という要素が大きく影響してくる。

競馬の場合は勝利金にそれほど大きい違いが出ないが、日本のスポーツくじは「還元率」が世界最低レベルであるため、同じスポーツベッティングなら違法性のあるブックメーカーのほうが勝利金が大きいしギャンブル性が強く刺激的なのだ。

もちろん、「わざわざやる価値があるから」といっても、スポーツベッティングで賭博をする違法行為を正当化することはできないし、違法のオンラインギャンブルで遊んだという罪は消えることはないのだが。

オンラインギャンブルの違法性についてのまとめ

オンラインギャンブルの違法性についてのまとめ

オンラインギャンブルの違法性の基礎知識と区別についてまとめると、以下のようになる。

  • 公営ギャンブル・宝くじ・スポーツくじ以外はすべて違法
  • オフラインで違法なものはオンラインになっても当然違法
  • オンラインカジノはグレーゾーンではなく完璧に違法

日本におけるオンラインギャンブルの「合法・違法」の区別は、線引きがクリアであり、シンプルである。

このクリアでシンプルなラインに関しては「わかってて一線を踏み越えるか」「知らずに一線を超えてしまうか」の二択しかないのは冒頭で述べた通りだ。

日本の合法ギャンブルだけでも、オンラインギャンブルは十分に楽しむことは可能だ。一線を越えたいなら別に止めたりはしないが、ラインの内側でオンラインギャンブルを楽しむに越したことはないだろう。

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